2010年1月4日、NHKニュースで常緑キリンソウが取り上げられました。
【放送内容】
地球温暖化など環境問題への関心が高まっている中、鳥取県で生まれた植物がある環境ビジネス分野で注目されています。12月下旬からの雪で一面が覆われた鳥取県の山あい。しかし雪をかけ分けると鮮やかな緑が顔を出します。その名も常緑キリンソウ。鳥取の種苗会社が作り出したこの植物が、今環境ビジネスの分野で注目を集めています。そのビジネスとは、建物の緑化です。建物の温度を下げCO2を削減する効果を期待され、自治体や企業で導入が進んでいます。この10年間で全国の緑化の総面積はおよそ20倍に広がりました。緑化に使われる植物は、これまでサボテンの仲間のセダム類や芝が一般的でした。
そんな中で20年ほど前からキリンソウに目をつけていたのが、鳥取県で種苗会社を営む藤田道明さんです。キリンソウは、栽培に手間がかからず蒸散作用が活発で大気を冷やす性質があります。緑化に適しているとキリンソウでしたが、大きな弱点が有りました。それは、冬に葉や茎の部分が枯れてしまうこと。見た目も悪いため需要が無かったキリンソウを藤田さんは、品種改良の結果、冬でも枯れないようにしました。「何とか年間緑を保てるようにすれば、緑化というのは非常に楽になって失敗も少なくなるんじゃないかなということで育種を始めたんですね。ここまでちゃんと生育して越冬するという事までは考えていなかったから非常に感動ありましたね。」
5年前から市場に出した常緑キリンソウの評価は上々です。今年から東京都の高校など8校で設置されたほか、問い合わせが相次ぎ、この4年で出荷数が50倍に増えました。藤田さんの会社では、さらに普及を進めようと考えています。その推進役は、息子の豊博さんです。この日、高校に持ち込んだのは、常緑キリンソウと豊博さんが独自に開発した緑化の為の袋です。手軽に緑化できることを体験してもらおうと高校生に作業に参加してもらいました。豊博さんが目指しているのは、作業の徹底した簡略化です。手順は、特別な培養土を入れた袋に常緑キリンソウを植えて両脇をファスナーで固定するだけ。少ない土と水で繁殖できる常緑キリンソウの性質を生かした手法です。後はこの袋を緑化したい場所に置けば雨水だけで2年以上緑が保たれるといいます。「やはり環境問題というのは緑が主体になってくると思うので、今までは我々が工事していましたけれども、皆さんの協力上でこの環境問題に取り組んで頂ければ、やはり意識をつけるための一つのきっかけになれば、非常に私とすればありがたいと思っています。」
鳥取から生まれた常緑キリンソウ、環境改善への期待をのせて来年も緑を伸ばしていきます。「冬でも緑というのは温かみがあっていいですね。この常緑キリンソウは、来年1月、もう来月ですね、東京都の都立高校20校以上設置されることがもう決まっているということです。鳥取放送局がお伝えしました。
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